やはり、あの人にお願いするか・・・
わけもわからず押し付けられた赤ん坊だったが、今回の仕事を片付けるまでは預かってもらうしかない。
そうさ、すべてが終わったらもうこの世界からはリタイアし、赤ん坊はずっとこの手で育てていこう。
普通の人間の幸せを感じられるようになるかもしれない・・・
電話を持ち、数少ない知り合いの中で信頼できると思う男の番号をダイアルした。
知り合ってからそう長いわけではないが、彼なら大丈夫だろう・・・
数回の呼び出し音の後、彼が電話に出た。
「はい、あーどうも、いつもありがとうございます!」
「予約ですか?・・・えっ? そうじゃなくて・・・頼みごと? なんですか?」
「あーなるほど、そりゃまたなんだかわけありですね」
「まあでも、細かいことは聞きませんよ。自分は赤ん坊大好きですからね。お得意さんの頼みとあっちゃ、喜んで引き受けますよ!」
「もちろん他の人には誰から預かったなんてことは一言も言いませんよ。まかせてくださいな」
「じゃあ、4時くらいに店に来てくださいな。その頃は誰もいませんから」
「はい、お待ちしてます~」
よし、これでいい。
赤ん坊を抱き上げる。
しばらくこの子を見れなくなると思うと寂しさを感じている。
そんな自分の感覚にまた驚きながら、店に向かうべく部屋をでた。